声かけを考える~できた!を育てよう~
子どもが「できた!」と言う時の表情、大好きです♪
達成感で嬉しくスッキリした気持ちと、褒めてもらいたい期待に溢れた顔(=´▽`=)
この表情を一日何度も見たいものですが、現実はなかなかそうはいきませんね。
だって子どもは失敗ばかり・・・。
何でも「わぁ上手ね~!」「できたね~♪」と言ってもらえるのは2歳くらいまででしょうか(^^;)
3歳頃にもなると子どもの考える「できること」と大人の感じる「できている」には差が出てくるので、「できる」のハードルが徐々に上がってきます。
そして何度も同じ失敗をすると「なんで?もう何回目?いつになったらできの?」とため息が出てきますね。
でもそれでは子どもも大人も嬉しくない!
ということで、今回は「できた!」を育てる私なりのヒントをいくつかご紹介してみます☆
子どもに失敗して欲しくない時、使う言葉にポイントがあります。
それは、反対語を使わないで行動して欲しいイメージをそのまま伝えること
大人はよく「〇〇しないようにね」と声をかけますね。
「転ばないように」「ぶつからないように」「線から出ないように」
何気なく使っている言葉ですが、子どもには「〇〇しないように」は分かりにくく、逆に失敗を招く言葉なのです。
例えば、お茶を机まで運ぶ子どもに「こぼさないようにね」と声をかけた場合、子どもの脳には「こぼす」というイメージが伝わります。そして大抵こぼします。
ビシャーン! あ。。。(ToT)
もぉ~、だーからこぼさないようにって言ったのにー!(`Д´)ノ
はい、険悪ですー。
更にこぼした床を歩いて拭く範囲を広げてくれたり、すべって転んだりしてね、沈静化に30分はかかります(-_-)
これが最初に「そーっとね」「ちっちゃく歩こうね」と声をかけると、子どもの脳がそのまま身体に指令を出すので大丈夫!(まぁ事故的に失敗することはありますが)
そもそも「〇〇しない」という言葉かけは、子どもが失敗してしまうイメージが頭に浮かんでいる大人側から出ている言葉です。
失敗して欲しくないからイメージを打ち消すためについ「〇〇しない」と言ってしまうんですね。
なので「失敗しないでよ~」と思う時は、「どうしたら成功できるか?」をイメージして、実際に行動して欲しい言葉をそのまま伝えてあげてください☆
もう1つ、モンテッソーリ教育の中から「できた」を育てるヒントです♪
子どもにできるようになって欲しいことがあったら、手順を8倍スローダウンして教えましょう
モンテッソーリのお教室や園では子ども達の活動を「お仕事」と呼び、日常生活で必要になる要素を1つ1つ切り取って「お仕事」にしています。
「折る」「切る」「注ぐ」「縫う」などのたくさんの「お仕事」があり、考え抜かれて準備された道具を使って取り組みます。
そのお仕事を成功させるために先生はとても丁寧に流れを教えます。
教えることを「提示」と呼びますが、『8倍スローの法則』という程とってもゆっくり手順を1つずつ提示していきます。
例えば「折る」の場合、紙を△に折るだけで手順が12もあります!(;゚ロ゚)
折り紙の本なら1つの絵でおしまいですよね(笑)
それほどに手順を細かく分け、時間をかけてゆっくりと提示していきます。
そして手順を提示する時、言葉はほとんど使いません。
すると子どもは見ることに集中し、動きを脳に刻み込みます。
動きを正確に再現できれば「できた!」となります。
(「声かけを考える」なのに声かけをしない という内容でスミマセン・・)
教えたいことがあったら、一度自分で動きをゆっくりやってみて手順を細かく分けて「8倍スローで提示」してみましょう(⌒-⌒)
今後プログラミング的思考を育てる時代になるので、手順を細かく分ける練習をしておくとお子さんのプログラミング教育が始まった頃に役に立つかもしれませんね♪
(※ただ8倍スローには適齢期(2~4歳頃)があるのでお子さんの年齢によっては向かない場合もあります)
モンテッソーリ絡みで1冊本のご紹介をしておきますね(^-^)
モンテッソーリ教育の日本のパイオニアでいらっしゃる相良敦子先生の著書に「ママひとりでするのを手伝ってね!」という本があります。
35年も前の本ですが、子どもとの毎日で上手くいかないことへのヒントや、トゲトゲしかけた心をほぐしてくれる事例が色々あります。
子どもの成長に合わせてその時々で共感ポイントが変わるので、定期的に手に取るようにしています☆
最後に・・
娘の通っている幼稚園の園長先生のお話でとても心に残っている言葉があります。
「お子さんを『できる、できない』で見ないでください。『できる』とは『加減を知ること』なんです。」
これを聞いた時、頭の中でカーンと鐘がなって視界が開けた気がしました。
トイレトレーニングの成功も「我慢の加減」を知ることですし、ぬり絵は「指と手首を動かす加減」、お箸も「指の力加減」、、、
何をするにも「このくらいがちょうどいい」が分かれば「できる」んですね。
今まで自分なりに「できた!」を育てようと娘に接していたつもりでした。
でもその当時は下の子が産まれたばかり。2人育児のバタバタと入園が重なって精神的にかなり追い詰められていたこともあり、娘のできない面ばかりが目についていました(T-T)
でも「この子がうまくできないのは加減が分かるように教えてあげていなかった私が原因だ!」と気づき、「できない」のはまだ「ちょうどいい」が分かっていないからだと見方を変えることができました。
リトミックのレッスンで「一度筋肉が覚えたことはできなくなることはない」というお話をよくさせていただきますが、筋肉が「ちょうどいい」を覚えればその後はずーっとできるようになります!
そうなるまで何度でもチャレンジすること。
子どもも「できない自分」は悲しいし、イライラするし、好きになれません。
自分を好きになれない子は自己肯定感が低く、様々なことへの意欲がなくなってしまいます・・・。
早くできるようお尻を叩くのではなく、子どもがチャレンジする心を持ち続けられるよう応援してあげること。
これを自分自身の役割として心がけるように努めています(^^)
「できた!」は自己肯定感そのもの。
毎日いろいろあるけれど、本当にいろいろあるけれど、、、
子ども達の「できた!」の顔を楽しみに育てていきましょう☆
Ayame